知らぬ存ぜぬ知らぬ存ぜぬ。

思い出トランプ (新潮文庫)

思い出トランプ (新潮文庫)

最近お母さんが貸してくれた本。
超おもしろい。
いい話じゃない話だらけで。
さりげにバッドエンドばかり。
全てのエピソードが地味に修羅場。
ハードライフ。


人って、ほんとに、誰もが人に言えない後ろ暗いところを一つか二つ持って生きてるんだな。
地雷みたい。
踏んだら大怪我だよ。
踏んだ人も踏まれた人も。
無用心な場所に生活が脅かされるくらいの「知らないほうが良い事実」が転がりすぎてる。
そこで、向田ワールドの人々は踏んでも踏んでないふりをする。
ドラマをドラマにしない人々。
それが無事に暮らせる術なんだろうか。
私も含めて、誰にも知られないことが
一番いい出来事が、
こんなにも、みんな持ってるのか。


これって「人間の闇」っていうカテゴリーではないな。
なんていうものになるんだろう。
「闇」ではない。
「秘密」だとちょっときれい事っぽい。
「一面」かな?
「裏」かな?


「裏」かな。
それも真裏じゃなくて
ほんとに誰もみようとしない
裏側。
下側?
みてもみぬふりするのが一番、ていう部分だ。


人間って、悪い面も含めて、なんて奥が深いのかな。
有名人とか偉い人じゃない、普通の人の
奥深い面をみたとき、感動する。
なんで感動なのかわからないけど、
そんなにドラマチックだったのか、この人は。
この世界は。この生活は。
って思うからだと思う。
普通の人の奥深さ。
それから自分の浅さにも気づいて
すごく揺さぶられるんだ。