きいてください。

先日のお見合いパーティーの話の続きです。





あの日、私は2人の男性と連絡交換をしました。
1人目は会社役員/年収1200万円/39歳
2人目は公務員/年収不明/35歳

です。


私がなぜこの2人と連絡を取ろうと思ったか?
それはズバリ年収と職種です。
私は金の亡者か銭ゲバかというご指摘もあろうかと思いますが
亡者です。銭ゲバです。
正直結婚後は楽な生活したいです。
そしてお金大好きです。



その後、会社役員39歳とは幾度かのメールのあと
あまりにおじさんだということが判明し、
「ところできわちゃんは彼氏募集中なのかなあ?」
というメールが来て終了いたしました。


そして、公務員35歳とは、あっさり食事で初デートとなり、
とてもとても良い時間を過ごしました。
「公務員だって!うっしっし!」
と思っていただけの私にとっては、
デートの約束の取り付けメールがとってもシンプルで端的だったこと、そして迅速だったこと、
お店選びの適度さと、必要最低限のメールしか送ってこない彼のセンスに感心しきりでした。
期待以上のことに、私はあっという間に
「また会いたい!!」
という気持ちになりました。




そして本日、ドライブでのセカンドデートとなりました。
行き先は伊丹空港
頭上スレスレを飛ぶ飛行機が観られるスポットがあるというのです。
平日が休みの私に合わせ、半休を取ってくれた彼と15時に駅で待ち合わせでした。
伊丹空港のその穴場は、滑走路わきの細い道路で
まさに、まさに頭上すれすれをJALやらANAやらの飛行機が飛んでいく場所です。
私は興奮しきりです。
着陸する飛行機は大迫力でスリリング、離陸する飛行機は優雅でまるで紙飛行機のようで、
夕暮れの落陽も美しく、最高のロケーションでした。
そして、日が落ちます。
夕食は彼の提案で(ここまでほぼ全て彼の提案ですが)南港に向かうこととなりました。
私は空港での余韻が冷めず、上機嫌だったのですが
しだいに様子がおかしくなります。
私は自分でも何がそうなったのかわからないんですが、
妙に居心地が悪いのです。
何がそうなのか。
それは会話です。
彼は会話をしないのです。
ほとんどしゃべらないのです。
1度目のデートの際は、お互い情報が少なく、質問することもたくさんあったので
ある程度会話ははずみました。
2度目も、伊丹空港までは問題なかったのです。
なぜか空港を出て南港へ向かう間、
私が話しかけても短く返事が返ってくるだけで
それ以上話が続かず、
またたくまに沈黙になります。
私は「この人との沈黙は苦にならないなあ」と最初に会った時に思ったので
苦になり始めた自分に驚き、一向に話しかけてくれない相手にイライラしはじめました。
車中では「これならはずさない」とヤマをかけて
買ってみたMAROON5のアルバムが淡々と流れています。
この空気を(というより自分の機嫌を)やぶるために
むりやり話題をつくって質問したり話しかけたりすることも
すぐにしんどくなり
「そっちがそうなら話しかけてやるもんか」
とへんな意地まで張りだす始末です。
その間、彼はカーナビをしきりに操作して
なんだか手元が忙しいようです。
どうやら行き先を指定することができないようです。
厳密にいえば、行き先をど忘れして迷っているということです。
「なーんだ。道に迷ってたから会話する余裕がなかったのかぁ・・」
なんて心の中で無理やり自分を説得してみます。
「ごめんね。ちょっと迷った。」
といって彼は車をとめ、しばらくカーナビをいじっていました。
そして特定した場所はWTC
48階のレストラン(バイキング)です。
そうバイキングです。
少し想像してください。
WTCは言わずとしれたバベルの塔
人が少ないです。
平日の夜9:15。
閉店まであと45分。
まばらな客。まばらなメニュー。
景色ばっかり良い、だだっぴろい場所。
追い打ちをかけるように、また会話もなく
ただただ各自が運んだ食事を掻き込み、支払いとなります。
1人3150円です
割り勘です。
「すみません、1万円しかなくて・・おつりもらえますか?」
と私がフェイク気味に財布を出すと、
彼はきっちり自分の財布から千円を7枚出して、かぞえて、私に渡してくれました。
その後は、睡魔と闘いながらお互いの住所である京都へ向かい、
私の最寄り駅まで送ってくれて、解散となりました。





















私は、お見合いパーティに参加してからこの2週間と少しの間、
生まれて初めて
「○○さんと結婚する?」
「結婚したらどうする?
「結婚したあとどうなる?」
ということを
真剣に、本気で考えました。




私は付き合った彼氏とも、片思いの相手とも、
「この人と結婚したい」
と思ったことがありません。


パーティで出逢った方は、
人生で初めて「結婚したいかも」と思った相手でした。






そしてそう考えていた2週間と少し、
あんなに辞めたいしんどいツライと思っていた仕事が
嘘のように楽しかったのです。
自分でもわかるくらい、イキイキしてやる気がありました。




今日、「この人とはもう会わないな」と確信して帰宅した今、
この2週間で味わったプレッシャーと不安と期待とそして楽しさは
もう終わりました。




夢から覚めたようで、ずっと「結婚って結婚って結婚って結婚って」
ってモヤモヤがなくなって少しほっとしたのと
「結婚はもうなくなった」
という喪失感と
それに向けて「結婚したら仕事場の人がどう思うかな?」
というわくわくからなる張り合いがなくなりました。



つくづく現金だなっていうことと
条件に弱い自分をつきつけられたことは耐えられるとして、
耐えられないのは仕事への意欲。






またあのつまらない自分に戻るのかと思うと
(仕事がつまらないのではなくて、職場での自分の人格)
憂鬱で怖くてたまらない。



あの魔法にかかったように快活で明るくなった
職場での私は
どうなるんだろう。










こんなに簡単にも舞いあがって
いろいろ皮算用して
結果ゼロで。









なんだかへんな夢をみたみたい。









私、こんなんでいいのか。
いいわけないんだけど
もう修正するやり方もわかんない。






とりあえず、両親に早まって相談しなくてよかった。









というわけで、強欲な女の惨敗記録でした。
ありがとうございました。




これからもこんなきわを見捨てないでください。