向田と太宰。

久しぶりに、太宰治の短編集「きりぎりす」を読み返してみた。


まだ読んでない章もいくつかあって、
気が向いたら読むようにしてる。


本屋で、つい短編集のものを買ってしまうのは、
たぶんこういう手軽さからかも。


この頃なにかと病院に行って、待ち時間を持て余すことも多かったし、
文庫本はちょうどいい。



太宰が女好きだったのはよく知られたことだし、
自嘲気味に小説のネタにしてる。


旅先の宿で好きあらばロマンスを味わおうとしてる太宰の姿を読むと、

男の人って馬鹿だけど可愛いなと
自然に思ってしまう。


太宰はさぞかしモテただろう。
死んでからも、文章を通じて女にそう思わせるんやもん。




一方、もう一人の大好きな作家の向田邦子は、
女の代表みたいな人。


この人は女のえぐい部分を詩的に書き出す。


この人の本を読むと、
女であることの業とか、強さとかを感じる。



どちらもエスプレッソみたいに濃縮された人達なんだけど、
読むと、少し活力が湧いてくるような時もあれば、
考え込んだり、落ち込んだりもする。


ぴりぴりする本だ。